令和3年度事業概要

“ダメ。ゼッタイ。”の視点だけの予防教育だけでは、薬物に手を出してしまった若者やその家族を地域から孤立させ、医療につながる道を閉ざしかねず、地域社会の回復力を逓減させていきます。更に、ネット依存やゲーム依存の広がりは大きく、保護者は大きな不安を抱えています。

 

そのような中で、保護者や教育関係者、地域住民に依存症に対する正しい理解を深める場を提供し、医療従事者等と共に依存症当事者やその家族の経験を伝え、回復の困難さとともに依存症は回復できる病であることや地域の相談支援体制の重要さへの理解を促し、地域の予防教育資源である教育者、保護者、当事者、支援者等の連携の一助になるよう『依存症予防教室』事業を3ヵ年間取り組んできました。 令和2年度はコロナ感染拡大の中で、1回はオンラインで、1回は直前に中止せざるを得ませんでしたが、この三年間で8回の教室を開催、行政・医療者・教育者・一般等多方面から参加していただき参加総数は801名、1教室平均100名の参加者となりました。

 

会場参加者の内「こういう講演会に参加したことのない」方が39.7%、教室終了後のアンケートで「大変参考になった」と95%の方が答えています。受講前と後での変化では、「使用障害や依存症とはどういうものか」という問いで「よくわかった」と答えた方は31.1%増、「使用障害や依存症の相談や治療を助けてくれる機関・団体について」「よくわからなかった」と答えた方は、25.8%減、「使用障害や依存症の自助グループについて」「あまりわからなかった」25.7%減と、いずれの質問も受講前より受講後で理解が深まっており、この教室の有効性を実感しています。

 

令和2年度で開催直前で中止とした広島教室は、早い段階から関係機関からの申し込みも多く、教室開催が待たれている土壌があると感じています。開催できなかった静岡教室と合わせ開催し、依存症問題の理解を広げ、予防に取り組む方々と地域住民の連携の力にしていきたい。


検討会メンバー

小林桜児  神奈川県立精神医療センター 副院長
本間史祥  子どもネットリスク教育研究会副代表 公立中学校教諭
藤田みどり 茅ヶ崎地区更生保護女性会 NPO法人 薬物依存症者家族会連合会 理事
加藤武士  一般社団法人回復支援の会 木津川ダルク 代表
近藤京子  一般社団法人オンブレ・ジャパン代表
黒川奈菜子 千葉菜の花家族会 代表 、日本薬物政策アドボカシーネットワーク運営委員
松井由美  NPO法人 薬物依存症者家族会連合会 理事
川上文子  NPO法人 薬物依存症者家族会連合会 副理事長


事業予定都市

新潟県 9月26日(日)予定

広島県 11月28日(日)予定

静岡県 R4 1月30日(日)予定